4月21日(金)[日別]
▼いろいろかんそーぶん
@ 『trash.(10)』:D.P/山本賢治(ISBN9784253255301)。ヤングチャンピオン烈連載。 伝説の殺し屋コンビ『バレット&フランチェスカ』の血と硝煙に塗れた日常が壊れ始める10巻目。
- 「ケテ」を巡る騒動が終わりを告げ、皆が傷を癒やすその裏で、 エクス&ハルと彼女らを従える情報屋のヴァルゴにより、 美能子率いる岩志組の裏切りの証拠を握った村上会。 会長の村上は岩志組とパレット&フランチェスカの『抹殺指令』を下す。 無数に迫る魔手により次々と絡めとられていく岩志組の関係者たち。 バレット&フランチェスカも、圧倒的なエクス&ハルの力により捕らえれ…。
お馴染みエログロ奇人変人爽快バトルも次巻でラストとのことで、 状況も一気にヒートアップ。ここまで楽しんできた読者にとってもかなりエグい状況に。 レギュラーキャラにも容赦なさすぎな運命が突きつけられ、 電車の中で読むのがかなり辛い感じも。いや、楽しいんですけれどね。
今回は直接的なグロは薄め(そうか?)で、直接的なエロシーンが多めで眼福でした。 メインヒロイン陣の自慰連チャンとか、逆レイブとか(え?) セックス未遂とか!
バトルシーンも勢いあって良かったですね。 特に口淫カーチェイス(ん?)と、フラVSハルのパワー対決とか。 前巻の段階では実力のほどがどの程度か図りかねていたエクス&ハルですが、 意外や意外、わりと真っ向勝負でもバレ&フラを追い詰めるほどの実力者っぷりを発揮。 キチガイエロお姉さんっぷりでも上回っている感じで、正に死神ですな。 きっと次巻で盛大に散ってくれるでしょう。
文字通りラストに向けて突っ走り始めた感じですが、 正直どのへんに落ち着くのかドキドキです。 因果は巡るとはいえ…心情的には…ねぇ?
さあ、みんなで叫ぼう!
『助けて! ○○○○○○○!!』
おにいちゃんでもいいよ?
4月25日(火)[日別]
▼いろいろかんそーぶん
@ 『肉穴苦界』:オイスター(ISBN9784862018359)。エロ漫画。 コミックMate Lにて発表されたオムニバス短編集。 狂気に支配された廃墟の街に迷い込んだ者たちの末路。 属性的には徹底凌辱、監禁、拡張、緊縛、薬物、ローター、バイブ、二穴、焼き印、嘔吐、脱糞、ピアス、人身売買etc.etc....
良識あるものは去れ。
- 廃墟探索が趣味の彼氏・優二に連れられ、町並み全体が廃墟のような奇妙な街に足を踏み入れた女・さやか。 元々気が進まぬ話だったことに加え、段取りの悪い優二に腹を立て、ひとりで帰ろうとするが道に迷ってしまう。 困ったさやかはそのあたりにいた不気味な男に道を尋ねるが……。狂気の街に足を踏み入れた女の末路…『路地裏回廊』
- 廃墟の街の娼館・金福楼。腕っ節が自慢の女・京香は、 親の借金のカタとして売られた幼馴染みの少女ルミを救い出そうと娼館に殴り込む。 しかし、彼女を待つのは無惨な未来だった…『天竺牡丹』
- ボロアパートの1F。「家族を集める」男に、 娘・まん子として捕らえられた少女・睦美は、目を潰されて縛り上げられた実の父を護るために 男の嬲りに耐える日々を送っていた。だが幾度となく薬物を打たれ、 快楽漬けにされた身体は次第に心をも押し流し始め…。…『家族計画』
- 街を出られずさまよい歩く男・優二は、複数の男達によって、京香と呼ばれる女が嬲られる現場に遭遇する。 ようやく街の異常さに気づき、置いてきた恋人さやかを案じ始めた優二だったが、 女を嬲っていた男達に捕まり、男達の遊びに付き合わされるハメになり……『落花枝に還らず』
- ボロアパートの二階に連れ込まれ、男とその兄に犯され続ける日々をおくる・さやか。 快楽漬けにされた身体はもはや言うことを聞かず、 ベランダの下に転がる生死も怪しい目を潰された男を眺めては、 自らの死か、奇蹟による救済を望むばかり。そんな彼女の変わらぬ日常…『真心歓待』
- 娼館で、京香の悲鳴を聞きながら生ける屍のように日々を過ごすルミ。 そんなルミの前に、彼女を身請けしてもいいという「館長」と呼ばれる男が現れる。 降って湧いた希望を掴もうと足掻くルミだったが、そんな彼女の前に無惨な姿となった京香が現れ……『花冷え』
- 目に叶うかの品定めに、犬として館長に連れ出されたルミは、ボロアパートの庭に転がる目を潰された男との 交尾を促される。そんな様子をアパートの中から眺めるふたりの少女が居た。 街に喰われた三人の女が交錯する…『夢色埋葬虫』
- 隙を突いてボロアパートの1Fから逃げ出した少女・唯。 だが街から逃げ出すことは叶わず、気力も体力も尽き果てて諦めの境地へと至りつつあった。 平和だった過去と、バカな飼い犬に思いを馳せる少女の前に、新たに迷い込んだ余所者カップルが現れ…『死滅回遊』
- 廃墟の街の中央に聳える凌雲閣秘宝館。 案内役のジャンダーク静子が当館の見所をご紹介いたします。それぞれの末路。それぞれの結末。 全てはこの暗闇の秘宝館の中に…『暗闇秘宝館』
凌辱漫画の雄・オイスター先生の新刊は、狂気に支配された街を舞台に、迷い込んでしまった5人の少女らが 街の狂気に犯され、壊され、飲み込まれて行く様をオムニバス形式で描いた短編集です。 例によって人権何ソレ美味しいの? 人間なんてただの糞袋か精液袋だよという超殺伐作品ですので、 良識ある方は回れ右することを推奨します。ただ、極限の中で剥き出しになる人間が見せる様々な輝きが 美しい作品だとも思います。概ね黒い輝きですけれどね。
登場する男たちは皆正気とは思えぬ狂気を湛えた存在です。…いや中には善人である男もいるのですが そういう人物はこの世界ではまともに生きることすら出来ません。 狂わなければ狂わされるか殺されるだけという寸法です。 基本的に彼らはただのモンスターなので、感情移入とかはしようがありません。寧ろしない方がいいです。
そんな彼らがヒロイン陣に震うのは徹底的な凌辱と暴力の数々。監禁し、自由を奪い、為す術を失った 彼女らを考えつく限りの方法や道具を使って犯し抜き、快楽にのたうつだけの肉便器へと貶めてゆきます。 彼らに理屈は通じません。ただ自らが盲信する矜持のままにヒロインたちを餌食にしていきます。 傷ひとつ無く初々しかった少女たちの身体も、あるものはピアッシングで穴だらけにされ、 あるものは焼きごてで消えない文字を刻まれ、秘所やアヌスもだらしなく広がり、 ただ快楽を甘受するだけの装置へと作り替えられてゆきます。高潔な心や想いも 身体に刻まれた快楽の前では容易く手折られ、闇へと飲まれていきます。
ヒロイン陣の中でお気に入りは…京香さんかなぁ。単行本の表紙イラストも飾っています。 カテゴリ的には義に厚い不良娘、○レマスで言えば拓海さん的な? そういう人です。 そんな彼女が身も心も完膚なきまでに叩き折られていく様子がなんとも堪らないものがありました。 自ら掲げた矜持も大切なものも、自ら踏みにじり、泥を塗る…そんな彼女の堕落っぷりがたいへん愛おしいです。
という風に、全編に渡って真っ黒い内容なわけですが、 読んでいるとグイグイと引き寄せられるものがあるのですよね。 怖いもの見たさともまたちょっと違う、剥き出しの何かに触れる感じが好きなんだとは思います。 ただ、この世界に行きたいかと言われれば全力で拒否しますけれども。 オイスター作品が秘めるこの魅力を是非味わって見て欲しいですね。 本作、不気味ではあってもホラーではないので、怖いの苦手な人でも読みやすいとは思います。 どうしたってオススメし辛いですが。読む価値はあると思うんだけれどなぁ。
そんな真っ黒い内容が毎度な作者さんなわけですが、 読んでいるとグイグイと引き寄せられるものがあるのですよね。 怖いもの見たさともまたちょっと違う、剥き出しの何かに触れる感じが好きなんだとは思います。 ただ、この世界に行きたいかと言われれば全力で拒否しますけれども。